有期労働契約

 一般的に正社員(正規社員)は定年までの雇用、すなわち無期雇用であるのに対し非正規社員は3か月、6か月、1年等の期限を定められた雇用形態が取られることが多いでしょう。
 バブル崩壊時に企業が体験した事は、日本では正規社員の解雇は非常に難しく、人員整理への苦労です。その為、企業は
ⅰ 派遣社員や業務請負
ⅱ 期間雇用社員(有期雇用社員)
ⅲ パートタイマー
などの非正規社員を増やして来ました。諸外国と違い弾力的に労働力を調整できないため、その調整弁の働きとして非正規社員を選択して来たと言えます。このような有期契約で働く人は平成24年度で約1,200万人と推計されています。
 平成20年冬、リーマンショックで派遣社員や期間雇用社員が大量に解雇され、年越し派遣村が日比谷公園に開設された事は記憶に新しいでしょう。
 そのため平成24年8月10日に「労働契約法の一部改正する法律」が公布されました。このうち「雇止め」の法定化(労契法第19条)は公布日から施行されました。

「雇止め法理」の法定化(労契法第19条)

第十九条  有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。

 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。
 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。

 有期雇用契約は会社(使用者)が更新を拒否した時は、契約期間満了で雇用が終了します。この事を「雇い止め」と言います。
 しかし、会社の「雇止め」を自由に認めると労働者保護がないがしろになるため、過去の最高裁判例により一定の場合にこれを無効とするルールが確立しています。このルールの事を「雇止め法理」と言います。
 平成24年に改正された労働契約法では、判例の雇止めの法理の内容や適用範囲を変更することなく条文化されています。

2017年6月26日